幸せいっぱいの6月大安のホテルウェディング。緊張のヘアメイクデビュー。~後編~
挙式一週間前のヘアメイクリハーサルで、まさかの事態に
担当させていただく新婦様は、ヘアメイクリハーサルをご希望の方でしたので、挙式の1週間前くらいにホテルで行うことになっていました。事前に衣装室の担当様から頂いた希望要望を要チェックして、久しぶりにウィッグで練習なんかして、リハの一週間まえから緊張。色々考えていると楽しいのですが、スムーズに打合せできるか不安もありました。メイクはあまり要望が無かったので、あまりこだわりが無い方だと聞いていました。
リハ当日、初めて入るホテル、勝手がわからない衣装室、私が入ったことがあるリハは、ドレスも着てヘアメイクも決めて当日の装いになってみるものでしたので、ガウンに着替えてメイクリハに入っていたら、実はそこの衣装室ではドレスは着ないで、ヘアメイクのみやってみるリハだったようで、衣装室の方に「あらあら」と早速言われてしまいました。
(実は自分の結婚式も同じところのドレスだったので、思い出してみたのですが、リハで着たような記憶が。ホテルで違うのかもしれないですね。)
そして着々と進んでいったリハで、最後に気になることを聞いたら、どうやらアイラインとアイブロウが気に入らなかったようで、表情は少し沈んでいるように見えました。
であれば、直しましょう!そのためにメイクリハがあるもの。
お客様のご要望とすり合わせていくのは、私は嫌ではない作業です。相手が気に入っていないものは良くないですよね。まして婚礼でそんな気分で臨んでほしくないですし。
ベテランのヘアメイクさんでもクレームが出る時があるのは、こういう気持ちのズレがあるからで、良かれと思っていたものが本人はあまり気に入っていないけれど、言えなくて。のようなことがあると聞きます。
さて、元々が可愛らしいお顔立ちで、可愛く仕上がっていたと思うけれど、、「どう直したいのですか?」聞くと、「いつもの自分が描いているやり方がいい」とのことで、まずは写真でじっくり見せてもらい、同じように描いてみました。
結構特徴がある、独特の描き方。本人が自分の顔を熟知して描いていると見えて、説明もしてくれました。ん・・まだ納得していない様子。
何度か手を加えてみてもまだのようなので、片方自分で描いてもらいました。で、反対側は私が。まだ表情が晴れず。。
(でも、私的にはほぼ同じラインで描いていると思うけれど。。眉も。メイクのこだわり無しって言ってたよね~?!がっつりアリアリですよ~。)
言っていることもわかるし、いい感じで描けてると思うのだけれど。私も一生懸命でしたが、結局あまり納得できないままリハを終えたようで、新婦様が不安になっていないかとても心配でした。
翌日、予感的中で再リハーサルに
翌日、衣装室の担当様から電話があり、嫌な予感。。
そうだよね。新婦様から不安ですと電話があったようで、再リハに。再リハは時間の都合で挙式前日にすることに。私のせいで挙式前日に動いてもらうなんて、どうしよう。責任が一気に肩に。次はどうしたらいいんだろうか。。ひたすら考え、先生にも謝って相談して「こだわりがありずぎる人は、自分で描いてもらっていいから」と。
一週間気が重くて仕方がありませんでした。
で、迎えた再リハは時間も短く気になる部分を重点的に、メイクのみ相談させてもらい、自分で描いてもらうことに。ヘアは気に入ってくださっていたので良かったです。
ふ~。。ひとまず帰ったら本番の段取りを入念にチェックしなければ。もう迷惑はかけられないというプレッシャーで食欲も出ませんでした。
いよいよ迎えた本番当日。朝から緊張の地獄でした。
ハレの日を担当するのに、前夜から地獄のような緊張でした。こんな緊張Maxは記憶にないかもしれなかったです。失敗したらハレの日を失敗させるかもしれない、絶対に失敗できないという。
朝に小林麻央さんの訃報のニュースを見ても、うるっとしかしないくらい、いつもの自分ではない緊張感。(本番終えて今日のニュースでもう一度みて大号泣でした。)
30分前に支度部屋に入り、準備と確認を初めてなのでゆっくりしていると、あれよあれよと時間が過ぎ、新郎新婦様が到着。さっそく支度に。1時間20分で新郎新婦のお仕度を完成させなければ。1時間経ったころ、残すところ、新婦様のドレスと新郎様のお着替え半分。あと20分でいけるのか~。焦りだす私。
その時、たまたまお部屋に来たベテランスタッフの方が気づき、新郎様に入ってくださって、ドレスの支度も手伝ってくださって、時間内に終えました。
偶然を装って、見に来てくれたのかもしれません。よかった~。一番心配していた初めのお仕度でしたが、手助けもあり、遅れずに済みました。もう偶然でもなんでも、遅れないために必死でした。
先生から聞いた本番の流れのメモと、お直し道具を持って、写真を撮りに出たのでした。
後は流れにのって、進んでいきます。次の勝負どころはお色直しだけれど、あと何踏ん張りかで、私にとっても今日のこの大切な一日が着々と終わりに向けて動き出していると思うと、最後まで頑張るぞという気持ちになってきました。
お色直しでは、衣装室の担当スタッフさんも入ってくださったので、ヘアメイクチェンジとお着替えも滞りなく終わりました。おそらく、私が衣装室に初めてのスタッフで、ホテル婚礼の力量を見抜かれたからだと思いますが、私がどう思われようが、この担当した婚礼がとにかく無事に終わって欲しい。。手伝ってくださったスタッフさんにも感謝でした。
お色直しが終わると、私の緊張もやっと消えてきて、少しほっとしました。
後は、お見送りの時のお直しに入って、終わったら二次会の準備やヘアセットなどやったら私の一日も終了。頑張った~。
新郎新婦様も笑顔で出ていかれたので、一安心しました。
そんなこんなで終えた私のデビュー戦。
緊張もあり、とても疲れました。もうしばらくこの緊張感は味わいたくないほど、逃げ出しそうなほどの緊張で。
でも式が始まると、一生懸命で私の緊張も緩み始め、随所でジーンとする場面が。ハッピーな空気感も味わい、やはり婚礼の現場は好きだなと思いました。
リハーサルから、本番の細かいミスもたくさんあり、助けがあり、時間には間に合いましたが、あまり満足のいく初戦ではなかったので、ぜひ次回機会がもらえたらチャレンジしたいと思います。